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占いにおける方位の考え方

気学や風水では方位を求めることはとても重要なことですが、簡単そうで意外と厄介な存在なのです。日本国内の移動を見る場合、さほど神経質になることではありませんが、海外旅行に行くときなどの方位は考えによっては東が東でなくなることもあり得ます。

  • メルカトル図法と正距方位図法
  • 占いとの方位ってなに?
  • 当たり前ですが、太陽が昇ってくる方位が東です。 ←これが結構難しい。
目次

メルカトル図法と正距方位図法

 気学や風水による祐気取りや吉方旅行などを行うにあたり必要な要素の一つとして、 “正しい”方位を求めなければなりません。実はこれが意外と厄介なものなのです。
 私たちが良く目にする地図の一つはメルカトル図法とよばれるものがあります。この地図は学校の授業で使った地図帳によく描かれてあり、世界地図といえばすぐに思い浮かべる地図の一つだと思います。しかしこの地図は赤道から離れれば離れるほど歪んでいるもので、距離や方位・面積といったものは真実とは少し違います。 この欠点をなくし、正しい方位と正しい距離を現した正距方位図法というものもあります。

占いで使用する地図とは…

 方位を使用する占い、風水や気学ではこのメルカトル図法を用いるか正距方位図法を用いるかの議論があります。下の地図を見比べてほしいのですが、東京からLos Angelesを地図上で見た場合、メルカトル図法では「東」になり(地図1)、正距方位図法では「東北」となります(地図2)。したがって流派によっては吉方位になったり凶方位になったりとしてしまい、流派同士の対立を生むものとなっています。

メルカトル図法の東

メルカトル図法では東京から見てLos Angelesは東の方位として解釈できる。
※あくまで「占い」としての解釈です。

メルカトル図法
メルカトル図法 東京から見た東(占い上の解釈です)

正距方位図法の東

正距方位図法では東京から見てLos Angelesは東ではないことが明らかで、ちなみに東京から見て真東は南米ブラジルに行きつきます。
※自然科学や地理学、学術として正しい東方位。

正距方位図法
正距方位図法

 わかりずらいですよね。。。
 下の動画は地球儀を用いて説明しています。
 まずスタート地点は日本の東京です。北と東方向に青いテープを貼っています。この東の方向に延長していくとブラジルに行きつく、という説明動画です。

東京を中心に北と東方向にテープを貼る

 但しこれはあくまで、地理学として球体上の東西南北を説明したまでのことで、占いの解釈として正しいかどうかは別の話なのです。

占いとしての方位

 そもそもこの話をややこしくしているのは、私たちが住んでいる地球が丸く球面体であり、その湾曲した表面に存在しているからなのです。現代の自然科学や地理学上では上記の正距方位図法が正しく方位を表しています。そのことから今の占い師の方々が正距方位図法を利用したり、球面三角法という計算から方位を求める方もいることも理解はできますが、方位を利用する占いの成り立ちから考えた場合、そもそも方位とは何かを考えると何が正しいのか? が見えてくるかもしれません。

方位の成り立ち

 方位はどのように決められたかといいますと、天体の運行からであり主に太陽の動きから方位が定めらたものと言われています。古代中国の数学書「周髀算経(しゅうひさんけい)」においては、古人が天体の動き太陽の動きを精密に調べ上げ、方位や四季、二十四節気、太陽年の長さを確定させたといわれています。日の出と入りで東西が、正午の太陽の南中から南、北極星で北、を確定させていたそうです。東とは太陽が昇る方向であり、正確には春分と秋分の日の日の出の方向です。古代遺跡の多くも太陽など天体の動きと密接な関係があるといわれています。
 つまり本来の方位とは球体である地球の表面を考えた方位ではなく、地磁気を観測して方位を決めたわけでもなく、神羅万象の宇宙、天体の動きをみて考えられているのです。

方位の考え
地球上から見て太陽が昇る方向が東、という考え方。

太陽の昇ってくる方向が東

 古来、方位とは太陽や天体の動きをみて森羅万象の動きから定めたものと言えるでしょう。そのことから東は太陽が昇る方向が、占いとしては自然な解釈と言えるでしょう。東の方位に向かって移動することは太陽が地平線から上ってくる方向に向かって移動することになります。もし正距方位図法の考えで東にずーっと向かっていくと、いつの間にか太陽の昇る方向からずれていくことになります。地理学上正しいことですが、森羅万象から考えたものとは違ってきてしまいます。
 占いをみていくうえで、「正しく」とは何か? を考える必要も大切です。なにもすべて現代科学の解釈に合わせる必要もなく、占星術ではチャートは未だに天動説であり、紫微斗数では存在しない星の運行を使用します。科学的根拠があっての占い理論ではないため、科学的合理性や再現性に囚われなくても問題ないと思っています。

 個人的見解ではありますが、以上のことから気学等の占いで方位を見る場合、メルカトル図法で解釈したほうがよいと思っている所以です。

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この記事を書いた人

Profile
血液型A型/乙女座/千葉県生れ。

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