【占星術概論2】天体と感受点について

2021年11月7日

　占星術では天体の動きをみて鑑定を進めていきますので、天体、いわゆる惑星は占星術の主役でもあります。主には太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星の10天体の動きを見ていくのが占星術鑑定の基本です。この10天体の他には小惑星であるキロン(カイロン)、セレス、ジュノー、ベスタ、パラスを鑑定に考慮したり、恒星であるアルデバラン、レグルス、アンタレス等も加えて鑑定する場合もあります。
　また実在する天体ではありませんが、感受点といわれるホロスコープで読み解くうえで大変重要な意味をもつ位置があります。ASC(アセンダント)、DSC(ディセンダント)、MC、IC、ドラゴンヘッド、ドラゴンテイル等が知られており、それぞれ人生のおける重要なポイントを示すものと言われています。それでは天体の象意をそれぞれ紹介していきましょう

ホロスコープ上の星々

　まず基本的な10天体について。前述通りホロスコープでは10天体の位置を主に鑑定していきます。恒星である太陽、地球の衛星である月、惑星の水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星(天文学上、厳密には冥王星は準惑星に分類されますが…)について記していきます。

天体の分類

　古典的な占星術の解釈を用いる際に吉凶に分けて、吉星をベネフィック、凶星をマレフィックと呼んでおりました。星の吉凶を簡単に語ればよい、というものではありません。時と場合によっては解釈が裏返ることも多々あります。そこが占いの難しいところの一つと言われます。例えば土星を例にすると、土星はマレフィック(凶星)に分類されておりますが、おそらくそれは、制限や試練、忍耐などのマイナス的な意味を持っているからですが、教育の星でもあり天の意思に沿って正しい道に戻そうとする働きなのです。故に運・不幸と短絡的には言えません。

ベネフィック(吉星)

ベネフィック(吉星)　…　太陽、月、金星、木星

ベネフィック(吉星) に分類されているとはいえ、解釈によっては凶にもなります。月は唯一満ち欠けする天体なので不安定要素をもたらしたり、木星は「暴露する」「隠し事がばれる」という意味もあるからです。

マレフィック(凶星)

マレフィック(凶星)　…　火星、土星、天王星、海王星、冥王星
　※水星のみ、吉凶がないといわれております。

マレフィック(凶星) もベネフィック(吉星)同様、解釈によっては吉になります。土星は「矯正の星」でもあり、間違いを正すための教育の星なのです。天王星も現状打破させて新しいものを生み出すという作用もあります。

　結局、吉凶や幸不幸そして運不運とはあくまで自身の願望や希望に沿うか沿わないか、好き嫌いの視点での判断と偏りやすいため、言葉で吉凶を表す難しさがここにあります。

パーソナルプラネット

天体は個人・個人を取り巻く社会・時代を表します。地球との距離に比例して遠くなればなるほど、大きな事柄に影響を与えるものになっています。

パーソナルプラネットは、太陽・月・水星・金星で、特に個人の特徴を表すものと言えます。

ミドルプラネット

木星・土星であり、個人を取り巻く社会なその背景を表します。

トランスサタニア

天王星・海王星・冥王星であり、その人の世代、時代など大きな視点で影響を及ぼすものです。

ライジングプラネット

アセンダント(ASC)のプラスマスナス5度以内、ASC付近にある天体を指します。人生に対する姿勢を表すもので大きな影響を与えるポイントで、読み解くうえで見逃してはいけません。

ルーリングプラネット

ASCサインの支配星(ルーラー)。その人を取り巻く環境を表し、本来の自分や個性がある位置。

カルミネート

Mcに最も近い天体。人目に付く目立つ才能、生き様やモットーといったものに影響を与えるものです。

ハイパフォーマンスプラネット

ホロスコープチャートの中で最もアスペクトが結ばれている天体。最も使われている天体で発達している天体。いろいろな人生の側面に表れやすいものです。

オリエンタルプラネット・オリエンタルアピアランス

ホロスコープチャートの中で太陽の一つ前にある天体。その人にとって太陽に照らされている天体。

太陽・月・惑星

太陽(Sun)

自我　個性　主　自己　生命力　立場　意思の方向　わがまま　国家　政府　目的を遂行する手段　名誉　本人自身　主人　夫　父親　男性

月(Moon)

感受性　気質　幼児期に形成された性格　無意識　センス　感情　母性　依頼心　気まぐれ　人気
幼児期の家庭環境　幼児体験　妻　母　女性　子供　一般大衆

水星(Mercury)

言葉　表現　コミエケーション　情報　知識　学習　ずる賢い　手段　商才　職能　機転　経済　流動性　知的適性　職能的有能　兄弟姉妹　年下の人　学生　商売人　知識人　仲介した人

金星(Venus)

恋愛　結婚　美　社交性　贅沢　財産　金銭　芸術　楽しむ能力　怠惰　不摂生　第一印象　親和力　協調性　恋人(男性から見た)　愛人　芸能人　芸術家

火星(Mars)

情熱　開拓精神　積極的　決断　争い　トラブル　事故　衝動的行動　適職　スポーツ　出費　労力　
恋人(女性から見た)　愛人　若人　スポーツ選手　軍人　警察官　競争相手　事業家

木星(Jupiter)

拡大　発展　成功　楽観　楽天的　寛容　保護　サポート　幸運　自信過剰　流行　哲学　ラッキーポイント　中年の人　学識のある人　博識　社会的成功者　外国人　聖職者　

土星(Saturn)

規律　制限　忍耐　安定　教育　ルール　計画　責任　実務能力　真面目　堅実　古典的　猜疑心　不動産　型にはまったもの　大器晩成　教育者　まじめな人　年長者　政治家　父親的な立場の人

天王星(Uranus)

変化　革新　斬新　電撃　改革　ハプニング　独創的　牌曲がり　パソコン環境　ネットワーク　オリジナリティ　発明家　科学者　通信者　老人　浮気相手

海王星(Neptune)

漠然　不透明　見えないもの　現実逃避　幻想　夢見　イメージ　精神的不安定　海に関するもの　石油製品　慈善　奉仕　自己犠牲　自分から見えないもの　精神論者　高齢な人　引退した人　占い

冥王星(Pluto)

協力　極端　初めと終わり　破壊と再生　根底からの劇的変化　原子カ　エクスタシー　先祖　死者　権力者

天体の重要なポイント

小惑星

キロン(Chiron)

高度な学問　教育　医学　予言　占い心の傷

セレス(Ceres)

愛情　愛情の変化　妊娠　献身　無償の愛　養育　生育　農業

パラス(Paiias)

調和　平和　純愛　愛情　純粋

ジュノー(Juno)

権力の象徴　弁護

ベスタ(Vesta)

義務　氏名　犠牲

ホロスコープ上の感受点

感受点とは

ホロスコープは生まれた瞬間の天体の位置を基準として読み込んでいきますが、実在しない天体、即ち計算上に表れるポイントもホロスコープ上重要なものになっています。アセンダント、ディセンダント、Mc、Icの４つはアングルとも呼ばれ、ホロスコープを読み解くうえでは最も重要なポイントとも言えます。

アセンダント(ASC)

アセンダントは生まれた瞬間の東の地平線を表しています。生まれ持った才能や資質、外見の特徴、周囲に与える印象などを表します。第1ハウスの始まり。

ディセンダント(DSC)

アセンダントが生まれた瞬間の東の地平線ですが、ディセンダントはその反対、西の地平線を表しています。自分と他者との関わり方を表しています。第7ハウスの始まり。

エムシー(MC・ミディアムコエリ)

Mcとは、生まれた瞬間の空に最も高い位置(天頂)を表しています。社会的な地位や目標、職業、理想を表して社会的成功のゴールを示すといわれています。第10ハウスの始まり。

アイシー(IC・イムムコエリ)

ICとは、Mcの反対方向、天底を表します。心のよりどころ、故郷、家庭環境を表しています。第4ハウスの始まり。

ノード

ノードとは、月の通り道である白道と太陽の通り道である黄道の交わるポイントです。二つあって北側の交点をドラゴンヘッド、南の交点をドラゴンテイルと呼ばれていて、占星術のポイントとしても重要なものになっています。

ドラゴンヘッド

黄道と白道の交点であり、昇交点。身近な人間関係や人々との交流、そして社会性を意味するポイントです。今世で切り開いていくべき分野、人生の方向性、その人の天命を表しています。来世へのつながるポイントともいわれています。
ドラゴンヘッドと次項目のドラゴンテイルは、必ずセットで見ていくことがポイントになります。

※ドラゴンテイルの意味するところを止めて(避けて・諦めて)、ドラゴンヘッドの意味するところに向かうと開運(成功・悩みが消える)。

ドラゴンテイル

黄道と白道の交点であり、降交点。過去や前世で経験してきた分野、前世を示すといわれています。前世からの悪しき影響を表すものとも言われています。
ドラゴンテイルのスクエア90度に位置するサインの意味は、今生(今世)で関わってはいけないこと。前世の悪しきことが繰り返される。