昨今、AIがもてはやされている。計算や統計といった数字を扱い、未来を予測し最適解を導き出すだけでなく、絵画を描写する分野にもすさまじい発展があります。特に2022年８月に公開された描写ツールであるStable Diffusionは世界を驚かせました。描画AI、画像生成AIと呼ばれるものです。
Stable Difusionとは
Stable Diffusionは、2022年8月に無償公開された描画AI、画像生成AIであり、驚かせたのは他の描写AIと違いオープンソースとしてリリースされた点です。Stable Diffusionは他の描写AIと同じようにユーザがテキストでキーワードを指定することで、それに応じて画像が自動生成される仕組みとなっています。その画風はフォトリアルなものから肉筆的なタッチのものまでテキストで記述することによりAIが学習内容から最適化した描写が出力されるものです。
Stable Diffusionの開発に関し、学習データに20憶枚の画像とそのキーワードがペアで使用され、117万のステップと15万時間という長い時間が費やされたといいます。Google等の規模には太刀打ちできませんが、特別な利用環境や技術、専門知識を必要とせず、美術に疎い一般消費者でも実行可能な描画ツールとなっています。
Stable Diffusionの利用環境
Stable Diffusionはオープンソースとして公開され、個人のパソコン上ローカル環境で無料で使用することが可能です。特別な利用環境は必要ありませんがNVIDIA製のGPUを搭載しているPCで、VRAM12GB以上です。NVIDIA製のGPUが搭載されていないパソコンも多いですし、これから用意するにしても費用が掛かります。その場合は、Intel製CPUでStable Diffusionを利用可能にした「stable_diffusion.openvino」や、マシンのスペックに関係なくStable Diffusionを利用できるGoogle製サービスを用いる方法もあります。
Stable Diffusionで作成された絵の著作権
Stable Diffusionで生成された画像の著作権は「CC0 1.0 全世界 （CC0 1.0）」つまりパブリック・ドメイン、著作権フリーになり、営利目的であっても、許可を得ずに複製、改変・翻案、配布、上演・演奏することができるとされています。
一般的には絵柄や作風、構図といったものは著作権の対象とならないと解されるため、Stable 無Diffusionをはじめとする描画AI・画像生成AIの学習データに著作物が利用されること自体は問題ないと解釈されているようです。
ローカル環境で使用するには
2022年8月にオープンソースとして無料公開された描画AI「Stable Diffusion」は、テキストで描きたい内容の指示を与えるとその指示通りの画像を出力してくれます。Stable Diffusionはデモページで画像生成を試せたり、NVIDIA製のGPUを搭載したパソコンを使用して個人のローカル環境で実行することも可能です。しかし、デモページは現在アクセス数が多いため待ち時間が長く、NVIDIA製GPUを搭載しているパソコンを所持していない人も多いはずです。そんな人であってもGoogleが提供しているPython実行環境「Colaboratory」を利用すれば、NVIDIA製GPUを所持していなくともStable Diffusionを待ち時間なしで実行する環境を無料で整えられます。導入例を示しますので、参考にしてください。ちなみに私もPythonの知識は皆無でした(VBAは書けますが…)。
実際に使うにはどのようなコードを書けばよいか? 具体的には次のページを参考にしてください。
呪文の書き方はこちらです。
