西洋占星術はその人の運勢全般をみていくには適した占術のひとつで、ホロスコープのチャート上には人生上に起こり得るイベントが表されており、それについて多くの回答が可能な優れた占いの一つです。“星はなんでも知っている”まさにその通りです。
ところが私たちのホロスコープに描かれている意味のうち、5%も活用していないといわれています。これはどのようなことを言っているのでしょうか。
占星術でいう「土星」は厄介者か
占星術でいう星には良い意味もあれば悪い意味もあります。これは全てに共通していて、サインにもアスペクトにも両方の意味があるといえます。
よく言われるのが土星の扱いです。一時期、土星は厄介者で嫌われ者でした。なにせ「試練」「困難」「行き詰まり」という類の意味だけがクローズアップされていたので、ネイタルチャートに太陽とアスペクトがある人は嫌な思いをされていた方も多かったことでしょう。しかし、土星が意味するものは悪いイメージだけではありません。「教育者」「形作る」「結果を出す」「修正」といった意味もあります。
トランジット土星が他の星とアスペクトを取るときとは、今まで努力を積み重ねていた人には「結果」や「成果」が現れる時です。他にも今までの人生で間違いがあれば「修正」を強いられるときですので「困難」が付きまとうときでもありますが、間違いに気づき改めて修正してしまえば大きく開運に向かいます。
土星とは、その人にとって正しいことならば「結果」をもたらしますが、間違っている場合やズレている場合には間違いに気付かせるために「困難」「行き詰まり」を与えたりします。つまりは教育をする星としての役割です。
天王星も同じようなことが言えます。トランジットで天王星が巡ってくると「突発的トラブル」や「変化」が起きるなど言われますが、「最先端技術」「現状打破」などいい意味もあります。土星にはその人の人生に内在する問題を自分から変えざるを得ない状況に、天王星にはその人の外側からの変化で変えざるを得ない状況に追い込む作用がそれぞれあります。
また大吉星とよばれる木星には確かに「成功」「拡大」というキーワードかありますが、「浪費」や「暴露」といった象意もありますので100パーセント吉とは言い切れないようです。
星の意味を選んで活用する
このように星は吉凶混在した象意を持っていますので、火星がアスペクトを取ったから…、土星だから…、天王星だから…、といって落ち込むことはありません。また木星だからといって無条件に喜ぶこともできません。
星やアスペクトが表すどの意味、どの象意を使うかは私たち自身に自由意志として残されていますので、積極的により良い意味、良い象意を選ぶこともできます。その良い意味をチョイスして実行に移すのです。これが積極的に星を活用するということです。
起きてしまった事象を調べて「ああやっぱりそうか…」と不運を確認するのではなく、なぜそうなったのかを考え、そしてその星の配列でより良い意味を探しだして意識的に行うことが、積極的に人生を生きることに繋がります。
幸せは勝手にやってこない
運とか幸せはむこうから無条件でやってきません。自らの手で掴むものです。ホロスコープ上の星の配列をみて才能を決め付けてしまうのではなく、開発されていない能力と開花していない才能を掘起し磨いていくことも必要で、人は究極的にはオールマイティな才能や能力を目指す生き様が尊い生き方になります。
素質があるから才能が発揮されるのではなく、素質に見合った努力と能力開花のタイミング、そして環境が整ってこそ才能・能力が発揮されるのだと思うのです。これこそ占いに翻弄されないで生きる方法ですね。